ママとワクチン編

高校卒業するまでママのことは嫌いでした。理由は、朝から晩までずっと怒っているからです。ずっと怒っている理由は、分かっていませんでした。

ママが私によく言う言葉は、「ムカつくんだよ!」「クソ生意気な!」「出ていけ!」「死ね!」みたいな感じです。なぜずっと怒っているの、と聞いたら、とにかくムカつくんだそうです。単身赴任中のパパに電話で、どうにかしてって言うと、ママは泣き叫びながら謝ってきました。怒るのも泣くのも嫌でした。

私が東京にでると、母と弟は二人暮しになり、弟が標的になっていました。しかし、弟は普通に学校や塾をサボったりしていてカッコよかったです。弟が大学に合格したとき、母は「もう怒らなくていいんだね」と言いました。なるほど、怒る教育法だったのか。私と弟の教育が終わって、優しいママになるかなと思ったら、ママは陰謀論や反ワクチンにハマり、頭のおかしい人と言われるようになりました。

ずっと、ずっと前から、私は母のことを頭のおかしい人だと思っていたので、周りの人が分かってくれて嬉しかったです。でも、だんだんなんだか可哀想に思えてきて、わたしが洗脳を解いてあげようと思うようになりました。

もう母の話を聞く人は私しかいません。反ワクチンの人たちは、ワクチンを打つ人を"コロナ脳"と呼びます。そして、ワクチンを打ったら2年後に死ぬと思っていて、母は「無知で馬鹿なコロナ脳」と言います。

陰謀論に影響されて、実家からは、テレビ、食品添加物、シャンプー、歯磨き粉などがなくなっていました。母は毎日、雲の形を気にしています。(雲の形を見れば毒が撒かれているかわかるらしい)

私には母のことを面白がっている所があるかもしれない。「ワクチンの成分を調べずにワクチンを打つなんて、馬鹿なコロナ脳たち」と母は言いますが、母もワクチンの成分を見て理解できる訳がありません。私だってよく分かっていませんが、大学の生物物理という講義で話を聞いたので少しくらいは知ってます。馬鹿なのはママだよ。って言いたいですが、洗脳を解くのに逆効果なのは想像できます。

私が"コロナ脳"になってしまっては、私の話も聞かなくなってしまうので、私はワクチンを打っていません。私は反ワクチンではありませんが、母が打つまで打たないです。(母が接種券を持っているので"打てない"のもあります)

あと、母がこんなものにハマるのは、もしかしたら私のせいかもしれないからです。私がアトピーと慢性鼻炎なのは、赤ちゃんの時に打った予防接種のせいで、後悔してると言っていました。あと、私が子宮頸がんワクチンを打ったとき、酷い高熱を出して腕が動かなくなったことがありました。そんなことがあって母は反ワクチンをやってるのかもしれない。

弟はこっそり接種券を取って打ったらしいし、父もめんどくさいから隠してるだけで本当は打ってると思います。もう私しかいないですね。可哀想なママ。私がコロナになって死ぬ以外、いい方法はありませんか?