目の前でお金を落とされる

弟がお年玉袋を拾ってきたことがありました。塾の帰りに雪の上に落ちていたそうです。お年玉を拾ったんだけど、せっかく貰ったのに落とした子可哀想だねって言っていました。弟は哀れみながら喜んでいました。

選択肢としては、1.拾う、2.交番に届ける、3.見なかったことにする、が考えられると思います。弟がお年玉袋を拾ったのは交番の近くでした。話を聞いたとき私は、交番に届けるのは馬鹿なことだよね!って言ったような気がします。

こういうラッキーなことはたまに起こるし、逆にアンラッキーなこともたまに起こるので、ラッキーを自ら手放すなんて損してると思います。

たまにこの考えを非難されることがあります。実際に法律的にも犯罪扱いのようです。高校生の時、テストで本当は間違っている解答に丸がついていたときに、そのことを友達に話してみたら、先生にちゃんと言いなよ!と言われたことがありました。うっ…と思いつつ、先生には言わなかった気がします。

私には法律を破る機会がないだけで、いざとなったら躊躇しない大胆さがある、かもしれない…この宇宙には良いも悪いもなくて、私たちはただの存在する物質ですので…

ある日の夕方、駅の改札を通るとき私の前の小太りでスーツの男性が1万円札をハラりと落としました。時が止まり、私は考えました。拾え!と叫ぶ本能、混雑している駅の周りの人々、この1万円札を見ているのは自分だけなのか?仮に拾った私に何かわざわざ言ってくる人はいるのか?このおじさんにとっての1万円札、私にとっての1万円札、おそらく私の方が価値が高い!でもおじさん困るかな…?……結局拾えませんでした。駅の早足の人々に流され、考えながらしゃがんで掴んでやり過ごす機敏さが足りなかったです。

その後、後悔しました。なんか自分って好運が多いのにそれを逃すのも多い気がする、とか、こういうもんだよな、とか思いました。

そして今日、学校の帰り道近所のスーパーの前、目の前を歩くおばさんからハラりハラりと4枚の千円札が落ちてきました。振り向いて自分の後ろを歩く人は見える距離ではないことを確認し、お札の方へ走り出しました。気付いたら4000円おばさんに渡していました。落としましたよと言って渡したら、おばさんは、あ!ちゃんと4枚ある…って言いました。クソ!このババア、私が盗んだと思ったのか…!と悔しくて、一生おばさんには優しくしないと決めました。

私は、最悪…