話を聞いてもらえる

卒業研究をはじめました。大学生活も残り数ヶ月で、あと少しの辛抱です。4年間も勉強して、物理のこと、なんにも分からなかった。自分は頭が良くないと分かっただけ良かったです。

弟も似たような分野の専攻なので、扱う数式もほぼ同じです。前に実家に帰った時、弟が課題をスラスラ解いていてびっくりしました。ちゃんと物理の知識が身についている!すごい!私もちゃんと勉強すればできたのかな、とか思いますが、どうでしょうか。無理だろうね。

研究室は教授が優しそうだからという理由で選びましたが、実際はかなり怖い教授でした。先輩が詰められている時間はかなり苦痛で、その間何とかして止める方法はないか考えます。いつも、これは止められないね…となりますが。

というのも、私には不思議な力があって、なぜかみんな私の話をよく聞いてくれるのです。怖い教授もなぜか私に対してだけ優しくて、話も聞いてくれます。研究室の模様替えをする時、なぜか私に物の配置の相談をしてきたり、定例ミーティングの時間も、13時はランチタイムだから嫌だと言ったらずらしてもらえたり、普段は祝日もお構いなしにある輪読も、休みにしませんかと言ったら休みにしてくれたりしました。

輪読は、教科書を読む会のことで、一人ひとりページが割り振られていて、担当のページをみんなの前で解説します。ある輪読で、読み上げただけで終わろうとした人がいました。挑戦的な感じでもなく、教科書を理解できてない人でもなく。質問タイムで、ひとりが声が小さすぎ、最初からちゃんと説明するべき、というようなこと言いました。

それがかなり攻撃的な言い方だったので、逆にその人が非難の対象になりました。ひどいとか、言い過ぎだとか。教授もその言い方は建設的でないと言いました。

でも、彼は輪読を良くしようとした訳だし、私も頭が良かったら同じように注意していたと思います。彼は背が低くてニキビ面で舐められるタイプの顔なので、攻撃的な言い方をしないと話を聞いてもらえない人生だったのでは?可哀想に。

インターン先の会社にも、話をしたり聞いたりするのが下手くそで、ウザがられている人がいます。彼もインターン生なので関わる機会が多くてウンザリです。他の社員さんから、いつもとなりにいて嫌にならないの?とか、会社じゃなかったら絶対関わらないタイプでしょとか言われました。良かった、私のウンザリは態度に出ていない。

誰に対しても優しくするべきだ。きっとインターン生の彼も、頭が悪いだけ。可哀想だ。

だが、舐められ顔の可哀想な人だろうが、頭が悪い可哀想な人だろうが、誰かを直接傷つけるようなことをしたら容赦しない。私の話を聞く人がお前を殺し、お前の声は本当に誰にも届かなくなる。物理の知識は身につかなかったけど、洗脳術を身につけたから。